ラス前のポルトガルGP。ポイントランキングトップのヘイデンに12ポイント遅れる2位のロッシ。予選ではいつにない怒濤の責めでロッシがポールポジションを獲得した。日頃のロッシは予選でも決勝でもサーキットを流れるように実に美しくライディングするのだが,今回の予選はマシンをバタつかせながら攻め込んでいたので,いつもより明らかに異なるテンションだったと思われる。予選のヘイデンであるがロッシに獲られた一番時計を奪取するべく追ってコースに入るが空回りしコースアウトとなった。ペドロサも残り時間が無くなる最後のラップでアタックをするもののアタックを終えたストーナがレコードラインを塞ぎストーナーも空回り。一方エドワーズはいつの間にかロッシに続くタイムを出していた。
予選結果は,PPロッシ,2番グリッドエドワーズ,3番ヘイデン,4番ペドロサとなり,キャメルヤマハ vs レプソルホンダのワースクガチンコ対決の構図となった。
日本人ライダー中野選手は7番グリット,玉田選手は14番グリットである。ポルトガルGPの舞台となるエストリルサーキットは1キロ弱ロングストレートを持つコースなのでトップスピードの出ないカワサキは圧倒的に不利なコース。ところがトップスピードでは定評のあるDUCATIも予選グリッドでは奮わない。どうやら欧州の路面にはBSがあわないようだ。
といったところで決勝スタート。
ななんとオープニングラップで左コーナで中野選手がホプキンズに追突されコースアウト。2周目ではストーナーも同じコーナでジベルナウに絡まれともにリタイヤ。転倒はこれだけではなかった。
5周目,レースは予選グリッドと変わらない並びでロッシ,エドワーズ,ヘイデン,ペドロサという順で進行する。エドワーズはロッシを逃げさせるためにブロックラインを走りながらの走行なのでロッシとエドワーズとの間には0.9秒のどのギャップがある。そんな中,左高速コーナ突っ込みでペドロサはヘイデンのインを差して抜こうとするがフロントからグリップを失いヘイデンのバイクを道連れにコースアウト。ペドロサは一番やってはいけないミスを犯してしまった。インテリの記事をみるとペドロサはあのときヘイデンを抜くつもりもなかったがフロントがグリップを失ったようなトボケたコメントをしているが,確信犯だと邪推。
ホンダワークスはチームオーダーを出さないかわりにライダーのライバル心を煽るに煽りチームとしていやホンダとしてコンストラクターズポイントを稼いできたツケが回ってきたと思う。ライダー同士がお互いを認め合い尊敬しあってバトルし向上するのがGPライダーの在りし姿だと思うのだが、今回のホンダはチームオーダーを出さないことによってチーム内での潰し合いを半ば容認してしまったように思えてならず,モータースポーツファンとしては悲しいシーンであった。ホンダはライダーを消耗品としてかみていないのか!?とまで思ってしまった。
妄想はこのくらいにして,レースに戻すと,その後エリアスの怒濤の追い上げが素晴らしかった。とにかくド派手の突っ込み!明らかにオーバースピードで前後のタイヤをスライドさせたままコーナーに進入しコーナリングする。突っ込み過ぎなのでクリッピングになんてつけないのにもの凄いバンク角とライテクでスピードを殺さず曲がり切る。しかも速い。まるでモタードが走っているようなコーナリング。いやそれ以上だ。こんな走りでタイヤが持つのか?と心配してしまう程だったが最後まで走りきってしまった。レース終盤にはロッシとエリアスとの一騎討ちとなりゴールラインまでバトルは続いた。最終コーナを最初に立ち上がってきたのはロッシであったが,ホームストレートではスリップから抜け出しエリアスは猛加速状態になっていた。結果0.002秒差でエリアスはロッシより前でゴールした。
ロッシは2位でのゴールによって,ポイントランキングはヘイデンを抜き,今シーズン初のランキングトップとなった。そして自力優勝の可能性も掴んだ。欲をいえばここで優勝できればよかったのかもしれないが,リザルトのトップスピードをみるとヤマハ(ロッシ317.1km/h)はホンダ(エリアス321.9km/h)に比べて明らかに遅い。ちなみにカワサキ(ドピニエ317.7km/h)よりも遅い。ロッシはレース後のインタビューでリズムを作れなかったといっていたがトップスピードを犠牲にしてもレースディスタンスを完全に走りきるマージンたっぷりのマシンでレースしたのではないかと思う。そのためにも是が非でもポールポジションを獲ったのだろう。(一方エリアスは守る物がないのでギャンプルセッティングしてバッチリ当り抜群の走りが出来たのだろうと想像する。)
2006年MotoGPチャンピオンは最終戦までわからないという前代未聞の展開となった。ヘイデンはもう自力優勝がなくなった。しかし仮に最終戦の結果が1位へイデン,2位ペドロサ,3位ロッシだとするとヘイデンが1ポイント差でチャンピオンとなる。となるとチームオーダーを出さないホンダがチーム一丸となって戦ってくる可能性も考えられる。もちろんヤマハも一丸となって戦うであろう。とにかく絶対見逃せない最終戦になることは間違えない。
うわー、見たいっす
今度DVDに焼いて持ってきてクリ~
投稿情報: ぜ | 2006/10/17 14:02
ヘイデン vs ペドロサ
http://www.youtube.com/watch?v=SJy6Rt04pWU
ラストラップ
http://www.youtube.com/watch?v=H-_LfiDWg44
こっちの実況熱い
http://www.youtube.com/watch?v=KRF64WBNps0
投稿情報: しげちか | 2006/10/18 08:03