電子制御のセッティングがまとまり始めたストーナーはフリープラクティスから手のつけられない速さ。予選でも全く手を抜かずポールポジションタイムを更に削るという頑張りよう。ロッシも一瞬冴えた走りをみせ暫定トップになった時間帯があったが,結局ストーナーが予選を制した。中野選手はどうやらロッシの後ろで引っ張ってもらう作戦を企てていたようだ。2列目に並ぶべるかと期待していたが3列目に甘んじた。ということで決勝スタート!
なんと中野選手,会心のスタート。1コーナーに4番手で飛び込んだ。前半はトップグループにつけいつもとは違う走りを魅せてくれた。チーム公約通りの6位以内入賞を思いっきり期待させてくれた。しかしレース中盤から徐々にペースを落とし,ロレンソやバーミューレンらに抜かれ8位となった。でも今シーズン最高位のリザルトだ。喜ぼう!本人曰くチャタリングが発生したとコメントしているが,俺はエンジンがまだまだ遅いと邪推する。なぜなら直線番長ランキングで最下位だからね。ラップタイムもさほど良くなかったので,会心のスタートがベストリザルトを呼び込んのだ可能性は高い。でも,これもレース。内容は尻窄みの今イチだったかもしれないがリザルトに満足しよう。次は内容も満足できるレースを期待したい。
一方ロッシは今シーズンのワーストリザルト11位。スタート直後に自ら招いたスリップダウンで最後尾からのリスタートとなった。マシンにダメージはなさそうに思われるのにいつもより追い上げのベースが悪いと思っていたら,スリップダウン時にシフトチェンジが根元から折れていたということがレース後に判明した。それを差し引いてリザルトを見直すと超人的リザルトとしか思えない。なんであんな状態でシフトチェンジができるのか?から始まりFastest Lapランキングでは3位と驚異のリザルトだらけ。ロッシの心境を裏読みするとストーナーには負けまいとう気負いがスタート時の空回りに繋がったのか?と思ってしまった。
レース中,ロッシが最後尾から追い上げて行くシーンで,DUCATIワークスのメランドリに追いつき抜きさるシーンが記憶に残る。ロッシのオンボードカメラがメランドリを捉えた。メランドリの乗れてない感じがヒシヒシと伝わってくる。不格好に極端なくらいハングオンをしているのに曲がっていない。しかし直線は速い。なんてったって直線番長ランキング3位だもんね。一方ロッシは直線番長ランキング8位なのでストレートで抜けずに手を焼いていたようだった。
メランドリがDUCATIから放出される?カワサキに緊急移籍?とか色々噂が囁かれている。実力があるライダーなのにDUCATIに移籍してから全然成績が奮わないのは周知の事実。DUCATIに乗るライダーはメランドリに限らずエイリアスやギュントーリも低迷を続けている。言い方を変えると今のDUCATI GP8を乗りこなしているのはストーナーただ一人だけだ。親父目線から歴史を振り返るとこの事象はある意味フレディー・スペンサーがGP500で勝ちまくっていた頃を思い出す。つまりスペンサーしか乗りこなせないマシンの再燃のようにも映るのだ。そしてスペンサーが故障しHONDAが低迷したことも付け加えなければいけない。ストーナーしか乗りこなせないマシンというのが事実であるとするならばDUCATIは過去の歴史を繰り返さないためにも何らかの対策が必要と思われる。
さて週末のドイツGPはライダーのポイント争いも拮抗しているし各メーカーのマシンも仕上がりも上々だ。いいレースを期待したい。
最近のコメント