AIKAWA.JP: 信濃路往路

一年振りの信濃路。高速に乗って埼玉県をスキップ。いつもの利用する横川SAじゃなくその手前の甘楽PAで休憩。今後に備えて冷たいスポーツドリンクをバックパックに装填。
甘楽PA
今回の旅装のポイントはヘルメット。ゴーグルじゃなくてシールドにしてみた。しかも二重シールド（正確にはピンロック用シールド＋ピンロックシート）で曇らないものにしてみた。これならば雨でも快適だし激しく走って頭に熱気がたち込めても曇らないと思われる。地味に空気圧を2.0にしているのもポイント。
Xchallengeツーリング仕様アップツーリング仕様 Xchallengeツーリング仕様どアップピンロックシールド
高速を松井田妙義で下りR18を軽井沢方面に向けて進む。おぎのやに寄り釜飯を食らってみた。以前家へのお土産で釜飯を買っていったことがあったが器の置き場所に困ると顰蹙をかったことがあるのでその場で器は容器置場に片付けた。ちなみに高価そうな器を返してもお金は返って来なかった。
荻野屋釜飯オープン釜飯
釜飯は出来たてというよりは包みたてだったようで案外美味しかった。体にも栄養を補給したから今度は心に栄養を補給しに行こう！山が呼んでるぜ！
妙義湖妙義荒船林道ゲート妙義荒船林道
颯爽と国道とおさらばし支線へと向かう。静かな妙義湖，美しい。そして妙義荒船林道のはじまりはじまり〜
多少ガレているが車も通るようで路面は締まっている。でも先月までの長雨の影響かぬかるんだ水たまりが時々ある。空気圧が2.0と高いのでコーナリング中にフロントが落ち着かないのは想定内ということで危なげなく進む事ができた。
ゲートふたつめふたつめトンネル発見トンネル
ふたつめをすぎトンネルを抜けると路面状況は悪化する。車が入らないためか膝の高さの程のブッシュで轍が1本しか無い感じ。道が半分崩れていたり倒木などがあるので気をつけよけながら進む。
看板発見看板アップ
途中看板（標識？）を発見！よく見ると青いスプレーで塗りつぶしてある。塗りつぶしてあるということは通れないということなのか？深く考えずとにかく下に書かれている文字を読み取ると自分は正しく進むべき軽井沢方向に進んでいる事を確認し安心する。
ゲートみっつめみっつめ
みっつめを過ぎるとさらに道は険しくなる。腰あたりまで育ったブッシュに木々の枝が道を覆いヘルメットにカッチンカッチンとあたりまくる。落石と思われる岩が増えより大きくなった気がする。しかもその岩がブッシュの中に隠れていたりする。このような道を酷道と呼ぶのか？などと自問自答しながら進む。
ブッシュに隠れた落石にヒットヒット倒木でスタックするスタック
「カツーン」とバイクから何かにあたった軽い音がした。気にせず進んだところで倒木が道を大きく塞いでいる。倒木を乗り越えようとアタックしたらスタックしてしまった。「まいったなぁ」と思い足元を確認するとチェンジベダルが曲がっている。「そうか！あの時ヒットはここ（チャンジベダル）だったのかぁと気付いた。でもそんなことよりスタックから復旧する事が重要。汗をかきながらバイクを後退させ復旧させた。写真では簡単そうに見えるが足場も悪くむちゃむちゃ汗をかいた。でもこの場でメガネもシールドも曇らなずに作業に集中できたのはピンロックシールドの威力だと実体験する。息を整えドリンクを口に含みながら倒木セクションを今一度確認すると右側（根元付近）は思いっきりトラップと化しているが左側はさほどムズくないことが分かったので左側から可憐にクリア。そして進む。するとさらに大掛かりなトラップ出現。
ウッズセクション下見下見ビビってきた驚愕リタイヤ決意躊躇
こいつは手強いと思ったのもつかの間，下見をしてみるとあまりにも過酷な状態。絶対クリアは狙えない。というギャクなんか言ってられない状況。重たいXchallengeはちょっとした倒木でも汗だくになる程なのだからここは今までで一番の汗だくポイントになることは必至。しかもお一人様ツーリング。またこの先にもトラップがある可能性がある。というか事前調査ではあることが分かっているのでここは無理せず撤退するのが身のためだと判断し，ギブアップ宣言しUターンを決意。ちなみにこの地点で妙義荒船林道にはいってから7キロ程しか進んでいない。
Uターンし今まで通ってきた道を折り返す。道の険しさを再認識しながら進む。倒木スタックポイントでまたも難儀してしまった。ラインを確認せずアタックしたら転んでしまった。なさけなぁ。今日はモトパンはいたフル装備ではなくジャケットとパンツというツーリングスタイルなのになぁ。今頃になって軽装で来るべき道ではなかったことに後悔する。
Uターンの後行きにスタックした倒木で転倒スタック本日2回目
Uターン後，曲がったチェンジベダルの状態が気になってきた。ギアが1速固定なのだ。というのはシフトアップしても曲がったチェンジベダルがクランクケースに干渉し2速のあがらないのだ。道の開けたところでバイクをとめ曲がったチェンジベダルの状況を確認。曲がったベダルとクランクケースの間にまわりにあった太めの枝を突っ込みテコの原理で元に戻す。
間違い探し注目！
するとどうでしょう。

やっちまった。チェンジベダルがポッキリ根元から折れた。
ギア動かなねぇチェンジ衝撃写真ペダル
ていうか折れたペダルを診てわかったが，素材はアルミなので曲がった時点でアウトだったんだとことを認識。なんで素材に鉄を使わないだとBMWを恨んでもしかたない。カブみたいなシーソーチェンジでも俺は構わないからヘビーデューティーというかフェイルセーフな作りをしてほしいと我がままをほざいてみるが，BMWは素材をアルミにしてベダルだけ折ることでクランク（ミッション？）を守ったのかもしれない。さすがBMW！俺より一枚上手じゃねぇかとこの場で妄想しても始まらない。チェンジベダルが完全に折れた。そして俺の心も完全に折れた。
とにかく山を下りなければいけない。そして信濃に向かわなければいけない。もうギアチェンジはできないのでギア固定で山をくだりたい。ギアを確認するとななんとニュートラル。このままでは進めない。ではプライヤでねじってギアを2速にして下りればいいやと思うところだがXchallengeの乏しい車載工具にはプライヤなんて存在しない。しょうがないのでマイナスドライバを駆使してギアを変えようと試みる。ところが全然動かない。悪戦苦闘数分経過。道はほとんど下りだしこのまま惰性で下りるかなどという考えもよぎったが，2速と欲張らず1速でも進めばいいやとマイナスドライバーでリベンジすると「カチッ」とローに落ちる音がして安堵する。
とにかくローで麓まで下りて途中給油したスタンドで次の策を練ることにしようとローで山を下りはじめる。ローだと最高でも時速30キロしか出ないが致し方ない。ぬかるみはローだとパワフル過ぎて逆に難セクションになってしまうがしょうがない。およそ5キロの距離をローだけで走る。たった5キロがこんなにも長く感じたのは初めてだった。
中木ダム
途中の中木ダムでは強烈なマイナスイオンを浴びるが癒されない自分の心を指差し確認。舗装路ではますますローの遅さを感じるが仕方ない。スピードが乗る下りはクラッチを切ったりしてとにかくガススタ目指して走る。やっとガススタにつき，店員に事情を説明しプライヤを借りたいことと近所のバイク屋を教えてもらいたいことをお願いする。プライヤを借りギアを3速にした。そしてバイク屋はR18を高崎方面に10キロ程進めばあると教えてもらう。お礼を言い。バイク屋目指してゴー！
3速だと法定速度は余裕なので安心。でも流れに乗るにはちょいきつめ。軽自動車に抜かれたりするがしょうがない。しばらく走っていたらバイク屋が見えてきた。よかった。
バイク屋1軒目休みバイク屋
バイク屋の前にXchallengeを止め店を確認するとなんと休み。藁をもすがる気持ちで看板に書かれた電話すると留守電。店構えをみると家屋を兼ねた店舗のようだったので裏に回ってインターフォンを押してみる。しばらく待つと女性の声で応対があり「店主が居ないので何もできない」ということだった。近所のバイク屋を尋ねると「高崎方面に進めばある」ということなのでお礼をいい。さらにXchallengeで高崎方面に進む。10キロくらい走るとバイク屋が見えて来た。
バイク屋2軒目流用できそうな在庫無しバイク屋2軒目
今度のバイク屋は開いている。ラッキー。店内に入るとロードもオフもアメリカンも幅広く扱っている。期待を胸に膨らまし入店。店員に事情を説明し折れたチェンジベダルをみせ流用できるパーツがあれば分けて欲しいとお願いすると数分探してくれた。しかし使えそうなパーツはなかった。ただ高崎方面に向かうとBMWのディーラーがあるということを教えてもらう。しかも店もやっているとのこと。お礼をいい店をあとにした。R18を高崎方面にさらに10キロ程走るとBMWの看板を発見！
バイク屋3軒目キターディーラーに到着
BMWディーラーに到着しバイクを止める。周囲をうかがうと
ドナー発見ドナー!?
Xchallengeはないものの兄弟車のXcountryを発見。内心ドナーがあったと希望の光というか卑しい心に灯がともった。店内に入り事の次第を説明すると新車から外してくれるということになった。いやぁ有り難い。作業をお願いししばしの休息。
復活アップ修復完了
バイクが直った。チェンジベダルはXchallenge純正の滑り止めギザギザ加工された先端部ではなく靴にやさしいゴムで覆われたタイプだが完全復活だ。嬉しい。そして人のやさしさにも触れ俺が心も完全復活した。店内で雑談をしていたときにGS Challenge 2008の話になりGで元気なヤツがいたということを耳にするが少なくとも山でスタックするような俺みたいなヤツではないとかわし最大限の感謝をし店を後にした。さてチェンジベダルトラブルでだいぶタイムロスしてしまったが信州に行かねばならぬ。ずっと戻ってきたR18を軽井沢目指して進む。チェンジベダルの調子はすこぶる良い。Xchallenge純正に比べると多少短くなった気がするがフィーリングは悪くない。高速に乗ろうかと思ったが予定通り一般道で進むことにした。
碓氷峠は迷わず旧道に入り久方ぶりのワインディングロードを楽しむ。緑のマイナスイオンを体いっぱいに取り込む。
碓氷峠スタート碓氷峠めがね橋路面
この場に及んでこの馬鹿！こういうときは大人しく目的地を目指すものだと思われるかもしれないが馬鹿だからしょうがない。だってMOTTAINAIじゃん。気持ちで負けちゃいけないという言い訳もある。Xchallengeで初めて走った碓氷峠の感想はめちゃ面白い。パワーがあるのでWAVE125iで走るのとまた別の楽しさがある。舗装路としては荒れた碓井旧道はXchallengeに履いたMT21ともマッチしている。バンピーなコーナー，砂の浮いたコーナー，水が流れているコーナーなんでもござれだ。タイヤがショボイぶんハイサイドとは無縁なので身分相応の低レベル走行を楽しんだ。
碓氷峠終了タイヤチェック後右後タイヤチェック前右前
長野県に入り軽井沢をスルーし小諸をスルーし上田あたりでR18に別れを告げR144に乗り換え目的地への近道県道35号に入る。
浅間山長野原？
今回は国道で何度も白バイを見かけたが県道までにも出没していたことに驚く。ジェントルな走りでノープロブレム。そんなことより急に気温が下がったことを実感。ジャケットのチャックを閉め直す。そして本日最後のお楽しみポイント御林林道に到着。
御林林道
おおいにハマった妙義荒船林道と比べると雲泥の差天国のような路面だと颯爽と走っていたら。空気圧2.0がたたってか思った以上にフロントが暴れるので抑えるのに必至。曲がるにはフロント荷重というかリア抜重が必要，でもフロントに頼ると空気圧高いのでフロントが弾かれ思いのほかコントロールに難儀する。シートに座って走っていると重心が高くなりフロントの暴れに対応しきれないと自覚したのでスタンディングにし重心を下げ挙動の乱れに対応した。
御林林道分岐点分岐点
分岐点を超えると路面は多少ガレてくる。看板はないが東豊林道。気を抜いて走っていたらストレートなのに車体が暴れた勢いでコースアウトしそうになった。あぶねぇあぶねぇ。気を引き締め集中して走る。終始キープレフトで走っているがそのせいで左のミラーのネジが弛みプラプラ。まだ林道続くのか？と思い始めた頃にやっと終了。17キロの林道だった。
信州松代到着信州松代俯瞰
山の切れ目から信州松代を俯瞰する。あとはスルリと目的地にチェックイ〜ン。予定より遅れてしまったが無事信州につくことができた。
本日の反省点としては群馬の林道を甘く見ていた。群馬おそるべし。そしてスペアパーツを持っていなかった。レバー，ベダル類は持っていても損はないと思った。さらにツーリングの際は車載工具以上に役立つ工具を持参すべきと思った。
KTC 携帯用ライダーズメンテナンスツールセット