今回の中国GPを振り返るにあたり、まず予選残り2分前に触れたい。なんと中野選手が暫定ポールだったのだ。残り時間がたっぷりあるときの暫定ポールではなく残り2分での暫定ポールという価値は大きい。各ライダー本気も本気、ぶち切れた走りをする時間帯での暫定ポールというのは、ライダー、バイク、タイヤ等が高次元で調和できている証でもあるからだ。決勝で日本人選手がポールポジションになるのは何時ぶりだろうと思いふけるのも一瞬、その後ダニ・ペドロサ、ジョン・ホプキンス、コーリン・エドワーズに抜かれ、決勝は2列目4番グリットとなった。ペドロサは今季初のポールポジション、MotoGPがルーキーイヤーで初ポールとは凄いライダーだ。王者ロッシは5列目13番グリット。チャタリング問題再発だそうな。
決勝戦は結論から言えばペドロサのポールツーウィン。レース後半、レプソルホンダのセカンドライダーであるペドロサをエースライダーのニッキー・ヘイデンが追いかけるという展開。GAPは1秒と接近戦ではないものの、お互いハードプッシュのFastest更新、自己ベスト更新の連続という見応えある壮絶なバトルであった。ベドロサの無駄のない上品な走りとダードラあがりを彷彿とさせるヘイデンの派手めのコーナリング、対称的な走りも印象深かった。
ロッシファンである私にとって、今回のレース結果は残念。ロッシは残り7周時点で5位まで順位をあげ、3位のコーリン・エドワーズ、4位のジョン・ホプキンズを抜くのは時間の問題と確信していた矢先、突如ピットイン。リアタイヤの異変を訴えリアタイヤだけを交換しピットアウトする。が、このときフロントタイヤの剥離が確認されていた。正確には、リアタイヤの交換が済みエンジン始動のためスターターに乗せるためバイクを後ろにさげたときにフロントから隠れていた剥離跡があらわになった。それに気づいたピットクルーがロッシに静止をしようというモーションしかけたときにはロッシはクラッチミート、加速中だった。スーパーライテク王者ロッシの走りにタイヤが悲鳴を挙げたのだろう。というか、ミシュランがロッシにだけスペシャルタイヤを供給しているということが露呈されるとともにそれが裏目に出たということかもしれない。ロッシはコースに復帰するもののまたピットに戻りリタイアとなった。
そんなロッシではあるが、リザルトをみるとレース中のFastestは決勝1位のペドロサ、2位のヘイデンに続く、3番時計を記録している。ボロボロタイヤをスーパーライテクで補いバイクを走らせていたのかと思うと、父ちゃんうれしくって涙出てくる。
日本人ライダーに注目すると、玉田選手の6位入賞は喜ばしい。リザルトをみると最高速が誰よりも出ている。ライダーひとりの小さなチームではあるがこれからのレースが期待できそうだ。
ロッシが活躍できないレースが続くが今年のMotoGPは例年になく面白い。
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