BMW G 650 Xchallengeを乗り始めて早いもので4ヶ月経過,距離も5千キロを超えた。バイクにもだいぶ慣れて来たのでロードテストというかインプレというかしばらく乗ってからの感想を眉唾データと主観を元に書き連ねる。
以降,燃費・オイル・タイヤ・インジェクション,重さ,サスペンション,高速道路,ウインカー,雨,ホイールなどについて触れる。
走行距離 | 燃費 |
---|---|
0〜1千キロ | 26.0Km/L |
1〜2千キロ | 23.7Km/L |
2〜3千キロ | 24.1Km/L |
3〜4千キロ | 23.5Km/L |
4〜5千キロ | 25.1Km/L |
俗に言う満タン法による計測。捕捉するとガソリンはいつもハイオク。燃費は毎回給油毎にデータは記録しているがそのままだとバラツキがでるので千キロ毎の平均値を出している。燃費を平均するとリッター25キロくらいだ。そして街乗りで燃費が落ちることが分かった。高速道路や林道ツーリングはさほど落ち込まない。1回の給油で約8リットル入るので満タンで約200キロは走る。
最近心がけているのはアイドリングストップ。理由はエコロジーというのもあるが夏場の街中の信号で3回も連続して捕まれば間違えなくラジエーターファンが回り出すのでそれを軽減するために極力アイドリングストップを実施している。Xchallengeはキルスイッチでエンジン停止してもヘッドライト点灯しっぱなしでバッテリーへの負担も心なし不安になるので余裕があればキーを回して電源OFFってもいる。
燃費とは直接関係ないがXchallengeのコンソールはガソリンが少なくなると警告ランプが点灯する。ガス欠になったことはないがガソリン警告灯が点灯した状態でも40キロは走ることはできた。それ以上は試していない。
いままで二度程オイル交換を行なった。一度目は慣らしが終わったとき(たしか1500キロ)でフィルターも交換,二度目は3500キロでオイルのみの交換。二度目のオイル交換をしてからギクシャク感が減りエンジンがマイルドになって来た。エンジン・ミッションの各部品が馴染んで来たのかも知れない。
オイル交換はディーラーにて行なったが,ドライサンプ式のオイル交換手順も教えてもらったので次回は自分で交換してみようと思う。オイルは既に買っているカストロールのPOWER-1 4T 15-50Wだ。100%化学合成ではなく鉱物油(部分合成)にしている。100%化学合成の方が高級でイイに決まっていると思っているのだが,取説を読むと1万キロまでは100%化学合成は避けてくれと書いてあった。噂によると新しいうちはオイルシール等がヤワなのでシールが落ち着くまで浸透率抑えめの鉱物油を使うらしい。
メッツラー エンデューロ3サハラ(交換前)
二度程林道ツーリングにいき自分の腕ではノーマルタイヤでは転けまくることが判明したためオフロードタイヤに交換した。新しいタイヤはブリジストン GRITTY ED660/661というものでFIM公認のエンデューロタイヤ。タイヤ交換の際に前に1個後に2個のビードストッパーも入れた。Xchallengeの純正ホイールにはビードストッパー用の穴が空いていたので難無く取り付けることができる。
BS GRITTY ED660/ED661(交換後)
ビードストッパー
実はタイヤ交換を自分でやろうと思っていたのだが,これもディーラーに任せてしまった。というのはアクスルシャフトを止めるボルトのサイズがわからずギブアップしてしまったからだ。言い訳を続けると手持ちのメガネは最大24mmだったが,それでは小さいことがわかった。そこでホームセンターに行き24mmより大きい27mmのメガネを入手した。大奮発してKTCのメガネを求めたにも関わらず今度は大き過ぎた。正確にはイケルと思って軽く回したらネジ山軽く舐めてしまった。これじゃあイカンと思いディーラーにタイヤ持ち込み交換してもらったのだ。高い勉強代となったがボルトのサイズは26mmであることを知った。26mmのメガネなんて売っているのみたことないのでKTCのラチェットに思いを寄せる今日この頃である。
そうそうディーラーでタイヤ交換した効能としてフロントディスクブレーキパッドが限界寸前まで減っていたことを発見してくれた。すぐにディーラー在庫の社外品パッドに交換をしたが5千キロしか持たないとはいささか短命かと思う。ウェーブタイプのディスクローターによってブレーキが効く分寿命が短いのかもしれない。
よい子はまねしないようにね!
新しいタイヤの性能はソロ林ツーでも少し触れたが。林道ではすこぶる良い。空気圧落とさなくても止まるし曲がる。空気圧を落とした状態での性能はわからないが悪くなるはずは無いので末恐ろしいタイヤである(ノーマル比)。ロードでの性能については燃費が良くなる。というのはノーマルタイヤの時のように多少ラフに加速したりラフに減速するとすぐにホイルスピンをしたりタイヤがロックする。その度に山が減ってしまうのがとても勿体なく感じるので,急のつく行動を封印したので結果燃費向上に繋がっている。ED660/661の雨の日のグリップは期待していなかったのでが極端に滑ることは無かった。もっともロード専用タイヤではないという前提での話だ。という意味では高速道路も期待しない方がいい。
ノーマルタイヤ(メッツラー エンデューロ3サハラ)についても少し書くと山のあるうちはオフロードでもまぁまぁ仕事するがオンロード向きのタイヤ。オンロードは十二分に仕事してくれる。実は筑波サーキットをノーマルタイヤで走ったのだが自分の腕ではグリップの限界を超える走りはできなかった。最高速はバックストレートエンドで150キロくらいでた。もしかするとそれ以上出ていたかも知れないが迫り来る最終コーナーにビビリ,スピードメータなんかみている余裕は無かった。
G650Xシリーズは気化器がキャブレターではなくインジェクションとなっているが,その恩恵は燃費以外にも得られることを知った。バイクを倒してもキャブからガソリン溢れないので,バイクを起こせばいとも簡単にエンジン再始動する。これはキャブ車では考えられないことだと思う。キャブ車に乗っていた頃,転倒したらまず最初にやることはガソリンコックを閉じ素早くバイクを起こすことだった。理由はキャブからガソリンが溢れ出すことを防ぐためだ。一度キャブからガソリン溢れるとエンジンかける時にもの凄く苦労する。XLRに乗っていた頃は鬼キックをしまくった覚えがある。アクセル全閉でキックしたり全開でキックしたりチョーク引いたりチョーク半分にしたりだ。ハマると全然かからない。それがXchallengeはバイクをゆっくり起こして,セルを回せばキュルルといとも簡単にエンジンがかかる。嬉しいねぇ。まぁ転ばない方がもっと嬉しいんだけどね。
イグニッションで始動性の良さをべた褒めしたが,重さについては苦言を吐く。自分がいままで一番転んだ場所は,マディーというか泥ねい地での失速やバランスを崩した転倒だ。このような場所はただで立つことも不安定なところだったりするのだが,そこでマシンを立て直そうとするとXchallengeが無茶無茶重たく感じる。途中まで引き起こしてあともう少しというところで力つきてまた倒すという醜態を晒す程だ。車両重量159キロ(カタログ値)というのは俺にとってはまだまだ重いと感じた。そういう意味ではこれより30キロも重いF650にしなくて良かったと思う。
ついでに書くとこの159キロという重さはバイクをメンテナンスするときのもいささか不利である。花壇で余っている大きな鉢をひっくり返してバイクのセンタースタンドがわりに使おうとしたのだが,あまりの重さにセンタースタンド役の花壇の鉢が悲鳴をあげて潰れてしまった。
強そうなメンテナンススタンドが欲しい今日この頃。
重いDEATH
XchallengeにはHP2ゆずりのエアサスがリアについている。シート裏の空気入れでエアを充填することができユニークな機構となっている。リアサスの調整は空気圧を無段階に調整できるほか,ソフトとハードの2段階の調整ができる。自分は空気圧は自分の体重に合わせ水準器が水平になるあたりで調整したうえでソフトにしている。いままでソフトとハードで乗り比べた感触では,サーキットやモトクロスコースならばハード,普通の峠や林道ならソフトでいいと思っている。ハードは字の如く堅くなり動作も機敏になるためソフトに比べるとより体力が必要に思う。ソフトはしなやかみまったりと動いてくれる分,トラクションもかせいでくれているのではないかと想像する。
エアサス
少し気をつけないといけないといけないのはソフト←→ハードの切り替えだが,切り替えた瞬時から機能する感じではない。自分の経験では30分から1時間後に効き始める印象を持つ。おそらくサスの中のエアの流量を調整しソフト←→ハードの切り替えをしているのだと思われるがある程度サスを動かさないと流量が安定しないためタイムラグが出るのだろうと想像する。しばらく使って気付いたこととしてはエアサスのエアが少しずつ抜けるようだ月に一度くらいはエアチェックが必要と思われる。
フロントサスペンションは現在何も調整せずノーマル状態で乗っているがなんの不満も無い。というか俺の限界を遥かに超えた性能を持っていることは確かだ。ガレ場の突然のギャップや大きな轍に自分の限界を超えオーバースピードで進入してしまい内心「ヤバい!ふっ飛んだかも」と思い半ば覚悟を決めて突っ込んだのに,ハンドルとられることも無く何事も無く通り過ぎてしまうことを度々経験した。俺にはもったいなさすぎる逸品だ。初めての倒立サスなので自分の感覚が時代遅れだけなのかもしれないが二十年前のオフ車しかしらない俺のとってはオドロキモノノキだった。
Xchallengeの良い所はちょいと離れた山まで高速使って移動できるところにもある。Xchallenge購入したときにシート厚は期待できないから高速道路での移動ではお尻が辛いだろうと覚悟を決めていた。ところが思いのほか快適。というのは高速道路だと風圧を受けるのでお尻をシート後方に移動し頭を下げ空気抵抗を受けないように前傾姿勢になる。この状態だとお尻の下にはXchallengeでも一番シートの肉厚のある部分があたるようになる。よって思いのほか疲れない。もちろん高速道路の流れ乗った速度での走行は十分可能。
高速道路を走っているとあっという間に距離を稼ぎあっという間にガソリン警告灯がつくことになるが,適切な休憩タイミングをバイクが教えてくれると思えば,燃料タンクの小ささは気にならない。
細かい話だがXchallenge(たぶんXmotoとXcountryも同じと思われる),ウインカーが絶妙の位置についていると思われる。というのはもう何度も林道で転んでいるのにいまだ一度もウインカーを壊していない。かといって小さいわけでもなく視認性は高いと思う。ラバーマウントになっているが絶妙な場所に取り付けられているのだと思う。
強いて欲をいうならストップランプがLEDなのだからウインカーもLEDになって欲しかった。さらにウインカーの防水性はイマイチ,マディーな林道で転んだらウインカー内部にまでドロ水が進入してしまった。(あとでバラして清掃したら奇麗になった)
雨の中でのXchallengeだが,フロントフェンダーもリアフェンダーも十分に仕事をしているとは言えない。デザイン優先で機能的にはすぐれていないと思われる。フロントタイヤが巻き上げた水飛沫(泥飛沫)はフロントフェンダーを軽く避けてヘッドライトやフェンダーの上部に居座る。リアフェンダーも似たような感じで雨の日走り終わると背中に背負ったデイバックに泥色の水玉模様がついている。
ひとつ妄想。XchallengeにはXcountryの前19インチ後17インチのホイールがポン付けできるのではないかと思っている。ブレーキロータのサイズが一緒だからXmotoより相性は良さそう。もしそうなればオンとオフをホイール入れ替えて楽しむことができそう。
エンデューロタイヤ懐かしいね。あの頃はIRCのVE33,34だったっけ?安いけど1500kmぐらいでイボイボが無くなってたね。でもオフでのグリップは絶大だった。ノーマルタイヤだとみぞにドロがすぐ詰まって坊主タイヤと同じだけどオフタイヤはドロ掃けがgood!だった。
インジェクション車に乗ったことが無いけど意外な効能があるんだ。それは便利だな、デコンプいらず。
投稿情報: matt | 2007/09/11 00:05
VE-33まだありますね。
http://www.irc-tire.com/mcj/tires/enduro/index.html
そうそう今履いているBS ED660も寿命長くなさそう。林道ではXchallengeの車重とパワーに負けて加速時ブロックごと千切れちゃうのでさらに寿命を削ってる感じ。1500km持てばいいなぁ。
投稿情報: しげっち | 2007/09/11 06:53