今シーズン初の公式テストがスペインへレスサーキットで行なわれた。オフィシャルタイムアタックというシーズンさながらの予選が行なわれる。ポールポジションタイムを出したライダーにはBMWから新車(おそらくMシリーズ)が贈られる。ライダーに獲っては車をかけた40分間のギャンプルといったところかもしれない。中野真矢選手曰く
開始してすぐに雨が止み、後半は少し乾き始めるという難しいコンディション
という状態でのアタックとなった。公式記録としてはDRYとなっているが湿度70%とあることから難しいコンディションを伺い知ることができる。
オフィシャルタイムアタックの勝者はストーナー。すでに王者の風格か?驚くべきはアタック回数2回・有効ラップ数6周と誰よりも少ない周回数でP.P.タイムを獲ってしまったことだ。パッケージとしての完成度が高いばかりではなくストーナーも調子がいいのだろう。
今回は公式テストなので本家のリザルトにタイムや周回数以外にも興味深いデータが残されている。これらのデータを縦横斜めと読み解いて開幕前のライダーやチームやメーカーの様子を邪推してみる。
まずは直線番長からみてみよう。
昨シーズンまでは直線番長=DUCATIという方程式ができあがっていたが,どうやら今シーズンはそうでもなさそうだ。オフィシャルタイムアタック日の直線番長はSUZUKIだ。バーミュレンとカピロッシが揃ってワンツー体制を築いた。続いてYAMAHAのロッシ。翌日FP4(DRY,湿度57%)での直線番長はなんとYAMAHAのロッシ。2番手にDUCATI駆るエリアスがいるものの今シーズンのYAMAHAは直線が速そうだと推測できる。ちなみにストーナーはオフィシャルタイムアタック日は6番,翌日のFP4は4番となっている。三味線ひいていないことを望みたい。
現時点での予選タイヤの仕上がり具合としては,難しいコンディションだとBS(ブリヂストン)優利。ドライだとMI(ミシュラン)優利ではないかと思われる。セパンテストを振り返ると路面温度が高いときもMI優利と思われる。
レースタイヤに関してはBS優利と思われる。これはヘイデンやエドワーズが予選以外でタイムを削れないあたりから邪推している。
パッケージとしてまとまっていると思われるのは,ストーナーのDUCATI,バーミュレン・カピロッシのSUZUKIあたりか?その後の記事を眺めるとSUZUKIはDRYでのリアのグリップ不足があるようだ。となるとストーナーの独壇場か?
中野選手もかなりまとまってきたように思われる。ヘレスから新エンジンが投入された思われるが直線番長として目立たなかったのでもう少し調整が必要なのかも知れない。それでも少なくとも昨シーズンよりはいい仕上がりだろう。オフィシャルタイムアタックで6番時計は素晴らしい。この様子だと毎レース一桁入賞狙えそうだ。欲を言えばあと予選タイヤを詰めて欲しい。それができれば開幕線表彰台すらがみえる。最後になるが中野選手が元GPライダーであるランディーマモラ氏が代表を務めるアフリカの医療救済活動を行う「ライダース・フォー・ヘルス」に対し5,000ユーロ(約80万円)を寄付した。中野選手すばらしい!
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