NAPSを通りがかったら深紅のド派手なテントを建ててDUCATIの試乗会が行なわれているようであった。脊髄反射でNAPSに寄る。案の定,大試乗会の真っ最中。車種は5種類くらいあっただろうか?そして試乗を申し込む。なぜかわからないが試乗をする人はまばらで待ち時間無しですぐに試乗できる状態だった。近所にDUCATIのディーラーはあるのだが敷居が高くて未だかつて入ったこともなかったのでとても良い機会,深紅いやイタリアンレッドののDUCATIに出会えるまたとないチャンス。高貴でごじゃる。よりどりみどりDUCATI選び放題ではあったが,試乗するならDUCATIらしいバイクに乗ってみたかったので,手始めにスーパースポーツ代表格の1198 Sを選んでみた。車両価格270万円也。
このDUCATI 1198 SはWSBK(ワールドスーパーバイク)レースのベース車両という偉いマシン。今シーズンは芳賀選手がDUCATIを駆り,優勝請負人として活躍中である。個人的に注目マシン。サインひとつで乗れるなんて誠に幸せ。
試乗前に基本操作について聞く,マシンの操作は国産バイクと変わらない以上。とのこと「ハイスロですか?」と訪ねると「普通」という答えが返って来た。じゃあ普通に乗ればいいと判断し,慎重にクラッチーミートしマシンを進める。思ったより前傾はキツくない。決められた街中の試乗コースを走る。街中を走りながらバックミラーに目をやると全然みえねぇ。信号で止まった際に調整してみるも全然みえるようにならねぇ。流石イタリアンスーパースポーツ,流線型でとってもカッコいいデザインだが実用性ゼロだわ。労せずイタリアンスピリットをリアル体験。
DUCATI 1198 S
市街地のペースにあわせてシフトアップ,少しアクセルあけてみる。回転数4千を超えたあたりからガツンと暴力的な加速がやってきた。スゲー。むち打ちになるような加速。タコメーターは13000まで刻まれている。どこまで加速するんだ?とても回せないので一瞬だけ2気筒エンジンのトルクみなぎる加速に全身のアドレナリンが昇華するのを覚えた。しかし市街地の最高時速30kmの道路では全然ギアがあわない,1速ではギクシャクするし2速では失速。仕方なく2速半クラあてながら走った。ちなみにブレーキの効きも暴力的。ちょっとのタッチでガッツーンと効く。よくわからんがこのままサーキットにいっても十二分に機能するブレーキではないかと思った次第。
試乗コースの終盤に比較的空いた道があったので多めにアクセルを開けてみる機会に恵まれた。レッドゾーン付近まで回してみよう思ったのだ。結果は惨敗。6〜7000超えたあたりで失速。どうやらレビリミッターが効いたようだった。しかしレブリミッターにかからない程度に回し,ギアを繋いでみたら,一瞬にしてとんでもない速度になっていたのでオイラのビビリミッター作動。減速&シフトダウン。その際,DUCATIはクラッチ握らなくてもシフトダウンできるようなことを聞いたことがあったので実践してた。クラッチ握って回転あわせてシフトダウンするよりもスムースに操作できた。
試乗を終え,しばしDUCATI説明員との話を交わすと,日本仕様の1098 Sは排ガス規制と排気音規制をクリアするために8000回転でレブリミッターが働く仕様になっているそうだ。ショボーン。さらには日本仕様にマフラーにもいっぱい詰め物入っているということだった。MotoGPはメランドリ同様ヘイデンもダメなんじゃないかなどと会話をしていたら,試乗車の中にHYPERMOTARDを発見!
DUCATI HYPERMOTARD 1100 Sといえば昨年のPike Peaksで勝ったマシン。
ミラーの位置がかなり独創的だけど,ライディングポジションはオフ車乗りの俺にとっては好感色。堪らず試乗おかわり。
DUCATI HYPERMOTARD 1100 S
走り始めるとスーパースポーツ1198 S程のガッツンパワーは感じないが,直感的にマシンバランスの良さを感じる。走るコースは先程と同じなのにて楽しさ倍増。パワーの出方,ブレーキの制動力ともに想像通りの挙動をする。フロントまわりの視界が開けているだけじゃなくハンドリングも軽快なのが印象的。とにかく乗ってて楽しい。レブリミッターとは無縁の境地。気分はもうイエスマン。めっちゃ楽しいバイクだった。唯一気に入らないのはハンドルのさらに外側に張り出したバックミラー。視認性は高いが街乗りにその車幅はねぇだろうと思った次第。理由は自粛。ちなみにお値段170万円也。ここだけの話し旧モデル('08仕様)は150万円でいいそうだ。
結局2台だけであるが,個人的に以前より気になっていたDUCATIの2台を試乗することができたのでご満悦である。Xchallengeに股がりNAPSをあとにする際に衝撃事実を体験!
ななんとXchallengeのパワーが無くなった。開けても開けても加速しない。原付としか思えないような加速,マシンは軽くオモチャのような存在感。なんなんだ。
倍以上排気量のあるDUCATIのパワーに体の感覚が麻痺してしまいXchallengeの全てがプアに感じてしまったのだ。最近Xchallengeが軽いと思ったことが無かったので,ある意味これは良い体験をしたとポジティブに捉え今後のライディングにつなげてゆこうと思った。
270マンて、どんだけバブルなバイク。
それにしても8000回転でリミッター作動とは残念な仕様ですなー
投稿情報: ぜ | 2009/04/13 11:02
試乗車にはなかったけどDUCATIにはDesmosedici RRという公道仕様MotoGPマシンを売っている。確か800万円。それに比べりゃ1198 Sなんぞ半分以下!まぁお金の話は抜きにしても一度は試乗してみるバイクと思ったよ。激しく官能を揺さぶるバイクだよ。
日本のホームページをチェックすると
http://www.ducati.com/od/ducatijapan/jp/bikes/engine.jhtml?model=2982
155HP/8,000rpm
一方,米国仕様は
http://www.ducati.com/en/bikes/my2009/popup_tech_spec.jhtml?modelName=SBK1198S-09
170HP/9750rpm
とな。最大出力差は15HP。回転数にして約2割押さえ込まれている。
街乗り1198Sオーナーは国内仕様から解放されるためにさらに投資をするの気になった。俺なら買わない。いやそもそも買えない。
投稿情報: しげっち | 2009/04/13 12:40