今シーズンJBCF(実業団)初戦となる群馬CSCを走った。クラスターはE3,結果はDay1が足切りDNF,Day2が完走95/95位。成績としては実業団選手としては情けないの極みであるが,これでも昨年から参加し始めた実業団レース4戦目にして初めての完走なので,個人的にはやっと最低条件をクリア出来たことに多少なりとも満足している。完走できなかったら実業団やめようかと思ってた程だった!w
群馬CSCのレースはDay1とDay2の二日間に渡り2戦を行う内容となっており,Day1のDNFに対しDay2は完走と興味深い対比データもとれたので,今後のレース活動に向けての傾向と対策として掘り下げてみる。
- リザルト比較
E3のレースはDay1・Day2ともに1周6kmの群馬CSCを5周,合計30kmで競う。
Day1のリザルトは最終周回となる5周目直前に足切りくらいDNFとなった。完走者は140/169名(完走率83%)。完走者の最低平均時速33.48km/h。足切りタイムは先頭から8分あたり。
Day2のリザルトは95/95位。完走者は95/113名(完走率84%)。完走者の最低平均時速33.57km/h。足切りタイムは先頭から7分あたり。
Day1とDay2を比べると完走率はほぼ一緒ながら,Day2の方が足切りタイムが1分ほど身近くなりボーダーラインの俺にとっては完走条件が厳しくなっている。なのにDay1でDNF食らった俺がDay2で生き残りギリギリ完走するというキセキが起こった。
何が良かったのか?悪かったのか?さらに掘り下げる。
- 概要比較
Garminデータの概要比較。Day1がDNFでDay2が完走なので,距離やタイム,カロリー,高度上昇はDay2の方が1周分増えていることがわかるが,それ以外はほとんど差がないように見受けられる。平均系データはマジで大差ない。
Day1 | Day2 | |
---|---|---|
距離 | 23.64 km | 29.71 km |
タイム | 44:51:00 | 54:28:00 |
平均スピード | 31.6 km/h | 32.7 km/h |
カロリー | 591 C | 731 C |
平均移動速度 | 31.7 km/h | 32.9 km/h |
最高スピード | 56.4 km/h | 58.4 km/h |
高度上昇量 | 380 m | 464 m |
平均心拍 | 158 bpm | 162 bpm |
最高心拍 | 169 bpm | 172 bpm |
平均パワー | 221 W | 225 W |
最大パワー | 759 W | 799 W |
標準化パワー (NP) | 263 W | 264 W |
バランス 左(%) | 50 % | 50 % |
バランス 右(%) | 50 % | 50 % |
平均ケイデンス | 77 rpm | 77 rpm |
最高ケイデンス | 115 rpm | 122 rpm |
平均気温 | 11.8 °C | 11.9 °C |
最低気温 | 10.0 °C | 10.0 °C |
最高気温 | 19.0 °C | 22.0 °C |
ラップ毎に違いについても比べてみる。
ラップ | タイム | 平均速度 | 平均心拍 | 平均ケイデンス | NP | 平均パワー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10:35 | 33.6 | 149 | 84 | 281 | 227 |
2 | 11:02 | 32.4 | 160 | 78 | 262 | 235 |
3 | 11:05 | 31.9 | 161 | 74 | 262 | 219 |
4 | 11:59 | 29.3 | 160 | 72 | 248 | 207 |
平均 | 11:10 | 31.8 | 158 | 77 | 263 | 222 |
ラップ | タイム | 平均速度 | 平均心拍 | 平均ケイデンス | NP | 平均パワー |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9:59 | 34.2 | 159 | 79 | 282 | 232 |
2 | 10:30 | 33.6 | 163 | 78 | 262 | 227 |
3 | 11:05 | 32.3 | 164 | 77 | 260 | 228 |
4 | 11:00 | 32.8 | 163 | 77 | 256 | 223 |
5 | 11:04 | 32.7 | 163 | 76 | 261 | 229 |
平均 | 10:43 | 33.1 | 162 | 77 | 264 | 228 |
やはりDay1とDay2のNPや平均パワーは大差ない。しかしラップタイムはDay1よりDay2の方が向上している。注目すべきはDay1の1周目の心拍が低めということだ。心拍が低いということは十分に身体が暖まっていなかったことを示している。身体が暖まっていないと,スタート直後の強烈なペースアップに身体が対応できず千切れてしまうことを意味する。
ぶっちゃけDay1のウォームアップは失敗した。久々の群馬CSCなので試走はしたかった。気温低めなのは分かったので,ケイデンス上げて試走したものの全然身体が暖まらなかった。というのはレースに脚を残すため上り区間はゆっくり登ったからだ。そして下り区間はコーナリングの練習をするためブレーキ我慢などしたので身体を冷やしてしまったのだろう。そこでDay2は試走をせずに固定ローラーを使いしっかり暖めた。Day1のウォームアップデータはDay2より優れているようにみえるが,Day2に比べ10℃も低い気温のもとでは屁のツッパリにもならなかった。
Day1 | Day2 | |
---|---|---|
距離 | 11.88 km | 7.50 km |
タイム | 28:16:00 | 36:00:00 |
平均スピード | 25.2 km/h | 12.5 km/h |
カロリー | 268 C | 285 C |
移動時間 | 28:04:00 | 34:38:00 |
平均移動速度 | 25.4 km/h | 13.0 km/h |
最高スピード | 46.9 km/h | 31.2 km/h |
高度上昇量 | 197 m | 0 m |
平均心拍 | 126 bpm | 115 bpm |
最高心拍 | 161 bpm | 162 bpm |
平均パワー | 159 W | 132 W |
最大パワー | 463 W | 575 W |
標準化パワー (NP) | 223 W | 189 W |
平均ケイデンス | 81 rpm | 75 rpm |
最高ケイデンス | 132 rpm | 117 rpm |
平均気温 | 7.9 °C | 18.9 °C |
最低気温 | 7.0 °C | 17.0 °C |
最高気温 | 12.0 °C | 21.0 °C |
Day1でDNFくらった敗因としてウォームアップ失敗の他に,インターバルの弱さを痛感した。スタート直後のペースアップに食らいつくのはもちろんだが,群馬名物心臓破りの坂でさらなるセレクションがかかるので耐え忍ばなければならない。そこで登りはできる限り耐えるよう心がけた。この状況は最大パワーデータを分析すると把握できた。
時間 | Day1 | Day2 |
---|---|---|
5秒 | 698 | 641 |
1分 | 339 | 370 |
5分 | 282 | 285 |
20分 | 244 | 236 |
1分の行が心臓破りを表している。Day1よりDay2の方が明らかに良い値を出している。さらに細かいデータを拾ったところ2分でもDay2の方が優れていた。ただ,それ以降はDay1と大差ない。心臓破りを耐え凌げば集団から千切れずにいられる公算は高い。
- 心臓破り比較
さらに突っ込んでStravaの心臓破りセグメントでの比較をしてみる。Stravaによると心臓破りは,距離0.4km,平均勾配7%の坂となっている。
Day1 | Day2 | |||
---|---|---|---|---|
ラップ | タイム | 平均パワー | タイム | 平均パワー |
1 | 1:23 | 309 | 1:14 | 349 |
2 | 1:33 | 265 | 1:25 | 321 |
3 | 1:30 | 297 | 1:26 | 319 |
4 | 1:31 | 296 | 1:29 | 288 |
5 | 1:24 | 322 | ||
平均 | 1:29 | 292 | 1:23 | 320 |
Day1はスタートして心臓破りまでの上り勾配が始まったあたりで徐々に千切れ心臓破りでは先頭集団はみえなくになっていたが,Day2は心臓破りでも辛うじて先頭集団がみえる状態だったので,自分の場合は心臓破りを常に350W以上で登れれば千切れて一人旅にならずレースできていた可能性がある。
Stravaで同じE3レースを走り先頭集団でゴールしたデータを散見したところ, やはり5倍Wを1分半出すことが集団に居座る最低条件のようだった。5倍Wとは体重の5倍のパワーのことを示し,レース当日の自分の体重は72kgだったので5倍は360Wとなる。
最後にStravaの解析で心拍とパワーのゾーン分布グラフを比較してみる。ちょうどゾーン7(無神経,353+W)がほぼ5倍Wにあたる。Day1の7%に対しDay2の23%と追い込めていたことがわかる。心拍数分析でもウォームアップできていたことがゾーン2(適度)がDay1の4%からDay2の0%になっていることから把握できる。これらが最下位ながら完走できたのだろう。
- 今後に向けて
実業団レースはスタート直後に強烈なペースアップがかかる傾向があり自分の場合ことごとくその餌食となっている。餌食とならないためにインターバル強化が求められる。5倍W1分半いや2分を何発も出せるようにしたい。もちろんツールドおきなわ完走のために4倍W20分も引き続き挑みたい!
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