(たぶん)通勤快足
都内で仕事を終えWAVE125iで家路に向う。夕方から雨が降っている。最高級クシタニ製カッパもあるし,週末に新調したライダーブーツもある。ーーー近所のNAPSで特売品をゲット。ゴツくなくぱっとみサラリーマン風革靴ぽいのがポイント。美観を損なうことなくくるぶしを守る安全性,多少の雨も防ぐ防水効果も期待できる逸品。イタリア製ーーーと完全装備で走り始める。快適・快走・快足。カッパなしのずぶ濡れライダー,カッパ着てるけどスニーカーのリッターバイク,みんなバックミラーに消えてゆく。
自己陶酔に浸りながら走るのもつかの間,練馬区に入ると雨は勢いを増してくる。しかも今まで経験したこともないくらい。後で知ったがこのとき練馬区には大雨警報が出ていた。なんと最高級クシタニカッパなのに,胸のあたりがヒンヤリ。どうやらにのど元あたりからベルクロの隙間をぬってしみ込んだようだ。いやカッパだけじゃない。路面が冠水状態しはじめてきた。フロントタイヤが巻き上げた雨水がブーツを直撃。こっちもしみてきた。三日前まで新品だったのに。クー
といったところで自称完全防備は完全破綻。あとは開き直って走るしかないモードになった。WAVEはラッセル車状態。タイヤで雨水を左右に切り裂きながら疾走する。成増のコークスクリューカーブは道路が川と化していた。坂を上っているのに雨水がガンガン流れ落ちているので,波打つ砂浜に立ち足元をみているときのような変な感覚になる。国道から離れ自宅へ向かう公道を走っているときは,ステップ付近までは常に雨水が上がっている状態だった。ヘルメットのシールドも曇り始める。そして極めつけは自衛隊南門と大泉中央公園の間(距離にして100m足らず),すでに開き直っていたのでイケイケモードで,すでに車が2台程スタックしているにも関わらず,WAVE突進。走りながらWAVEのエアクリは上の方にあるからエンジンに水は入らないだろうと根拠のないロジックに納得し突き進む。雨水はシート付近まで上がってきた。水の抵抗で進みにくくなる。瞬間的に「おっと2速だったか,1速にしないと」と思いシフトダウン。ところが全然進まなくなり失速,ストップ。5秒くらいその場で呆然。水位は膝小僧よりも上。「これってスタック?」と自覚しようとした瞬間,ギアがニュートラルになっていることに気付いた。
進まないから2速だと思っていたけどすでに1速だった。WAVEというかカブ式ギアは1速の下にニュートラルがあるのだが,お茶目なミスをよりによってこんな時にしてしまったのであった。ギアを1速に入れ直しゆっくり進み冠水道路から復旧した。あわやスタックするところだった。無事に家に帰ってくることができた。ずぶ濡れにはならなかったが全身着替える必要はあった(カッパずぶ濡れ度40%,ブーツずぶ濡れ度120%)。それより明日WAVEのエンジン掛かるか不安。
WAVEでこんな水害に遭遇するとは思いもしなかった。若かりし頃YAMAHA DT200で千葉の養老渓谷を子バカにして単独で渓谷をバイクで走り,底なし沼にハマるは,激流にもまれるは,崖から落ちるは,と短時間に何度も死ぬ思いし,バイクを捨てて帰ろうとまで思ったときの記憶をトラウマのように思い出してしまった。自然は強い。小バカにしてはいけない。気合いなんかで勝てないということだ。反省。
ニュース観たら,まさに自分がスタックしそうになった場所が放送されていた。スタックした車の中に人が閉じ込められていたらしい。自分もいっぱいいっぱいだったから全く気付かなかった。こういうときは冠水道を迂回するべきか?車に人がいるか確認するべきか?助けに行くべきか?一般人としてどう行動するべきか考えてしまった。
小説のような文章に読みふけてしまいました。
ご無事で何より。
でも,くれぐれも気をつけてくださいね。
投稿情報: Noribenz | 2006/05/24 23:33
Noribenzさん,ご心配ありがとうございました。
若さ溢れる勢い任せの行動よりも,責任ある行動を求められる大人になっていることを自覚しなくてはいけない今日この頃。人生まだまだ勉強中っす。
ちなみにエンジンは昨日何事もなかったように一発で掛かりました。
投稿情報: しげちか | 2006/05/25 06:30
お元気で何より~
ニヤニヤ
投稿情報: ぜ | 2006/05/25 13:12