MotoGP観戦ソロツアー。予選日終わってステイエリアでキャンプ中の夜にノリックのドキュメント「阿部典史 -流星伝説- Shooting Star Legend」を鑑賞した。タイトルのネーミングがベタでイケてないから発売からずっと気になっていたものの購入を躊躇していたのだが暇つぶしなればとお伴にしてみた。
ノリックは中学卒業と同時にアメリカ武者修行がモータースポーツを始めたのがきっかけだと思い込んでいたが誤っていた。
ノリックは中学からミニバイクで始めていた。とは言っても遅咲きかもしれない。というのは同年代の加藤大二郎,青木三兄弟は既にやっていたからだ。しかもノリックよりも速いバイクに乗っていたそうな。といった俺の知らない話から始まり,ノリックのレースキャリアをひとつひとつ紐解いてゆく。インタビューの中で語る精神論,ライテク話は軽い口調で語られるのだが俺には重くのしかかった。
DVDを観てノリックは天才だったとつくづく感じた。18歳で全日本最高峰クラスチャンピオンになるというライダーは未だに現れないからだ。1993年の話だからあれから15年経つのに現れないというのは天才の証拠と言えないだろうか。しかも翌年ワイルドカードで1994年世界戦に参戦し最後尾から怒濤の如く追い上げてトップグループに追いつきケビン・シュワンツ,マイケル・ドゥーハンを年式の古いバイクで突き挙げ句の果てに抜いてしまうという偉業を成し遂げた。例えば今年(今日)のMotoGPに例えるとロッシ,ストーナーを旧型マシンで挑み抜いてしまったということになる。おそるべしノリック。2008年MotoGPチャンピオンの返り咲いたロッシまでもがノリックを自分のヒーローとして崇めるのはノリックの偉業を理解できるからなのだろう。
ノリックの素晴らしいことはこのようなライディングだけではなくモータースポーツの発展に関わる活動も讃えられるべきだと思う。
ノリックを偲ぶのではなくノリックの死を無駄にしたいためにもライダーの一人として何かやらねば誓った。そして「ノリックのためにもグットライダーになる」という気持ち今一度あらたにするのであった。
暇つぶし程度にしか考えていたかったがおおいに楽しめためになる内容だった。ベタなネーミングも全く気にならなくなった。俺のお気に入りモタスポDVDコレクションにチェックイーン。
晴れ渡った茂木の夜空に流星こそなかったが少しばかり星が輝いてみえた。
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