録画していた「フルスロットルで駆け抜けた ~プロライダーノリック青春の軌跡~」を観た。既に流星伝説を観ていたのだが別の視点からノリックの人物像を伺い知ることができた。
「フルスロットルで駆け抜けた」は家族や友人,仕事仲間とノリック(阿部典史)に近い人物からノリックを捉えるアプローチをしていた。奥さんがノリックについて語るシーンは特に印象に残る。いつも明るく,人あたりの良いノリックではなくレースウィークはナーバスになる姿,死への恐怖と戦う姿,トップライダーとしての苦悩などについて触れられている。またノリックが幼少時に両親の離婚を経験し親父さんとノリックは週末のレースでしか会えなかったという事実を知った。ノリックは大好きな親父さんを喜ばすためにも一生懸命走っていたことを後に詩で綴っていた。そうノリックはホームーページで時々詩を綴っていた。日記文であっても情緒こもった文を書いていたので個人的にノリックは文才あるなぁ詩人なんだなぁと思っていた。このあたりは「流星伝説」では触れられていない事柄なのでライダーノリックのライダーでない一面を知るには興味深かった。
ライダーノリックを知るには
故加藤大二郎選手,亀谷長純選手,武田雄一選手らが語っている。幼少時にサーキット秋ヶ瀬で育った彼らの中でノリックは一番遅かったというところから始まる。「流星伝説」でも同様のことが描かれている。ノリック本人が大二郎らのバイクは速かった。でも同じバイクなら負けないなどと語っている。NHKは素人向け番組作りをしなければいけないのでバイクの性能やライテクなどには一切触れず人間性だけでウマく番組制作する制約があるのだろうと思って観ていたが,それであるならばアメリカ修行の捉え方が甘い思った。俺はノリックは中学卒業後に渡ったアメリカ修行でプロライダーになるための強靭な精神力を身につけたと思うからだ。「フルスロットルで駆け抜けた」はダートラのドリフト技術の方に注目した。レイニーの「Use your head and gas it」話はあったがそれ以外は「流星伝説」のパクリだろ。NHKが金かけてやるんならアメリカ修行で下宿していたケニーロバーツ一家からインタビューとってくるべきだと思った。シニアでもいいしジュニアでもいい。ケニーロバーツJrと一緒に草レース出ていたのだからもっと興味深い話が聞けたはず。仮にドリフトに注目するならばアメリカ修行終えて全日本に走り始めたときにどこら中でドリフトしまくり勝ちまくったノリックのライディングスタイルを当時のライダーから証言してもらうべきだったろう。臨場感を出すために筑波をハイビジョンでオンボード撮影したのは偉いと思ったが素材を使い回し過ぎだため萎えた。使い回すのであればもっと振動対策してほしいしスピード感も欲しい。「フルスロットルで駆け抜けた」はライダーであるノリックをうまく描けていないと感じた。
ノリックがモータースポーツの発展を願って活動していた点については「フルスロットルで駆け抜けた」の圧勝。「流星伝説」は全然触れられていない。ただ取り上げているライダーは野左根選手だけでセナ(山田誓己)選手はスルーだった。最近の体制は知らないのでここは俺が勘違いしているかもしれない。
「流星伝説」を観た俺から「フルスロットルで駆け抜けた ~プロライダーノリック青春の軌跡~」を語るとは金かかっている割にツメが甘いと思った。ノリックの青春の軌跡は伝わるがプロライダーの部分は少なくとも俺には響かなかった。番組最後に泣けるかと思ってハンカチ用意していたのに出番はなかった。残念。「流星伝説」は金かかってない割に流星伝説をストレートに表現できいるし涙も滲んだ。
ちなみに「フルスロットルで駆け抜けた ~プロライダーノリック青春の軌跡~」はBShi 11月6日(木)午後2:00~3:30にて再放送されるようだ。まだの人はチェキしてくなんしょ。
BSチェックしますた。
投稿情報: matt | 2008/11/02 11:47