LOOK 695 SRに乗り始め1年程経った。利点欠点もなんとなく分ったのでインプレしてみる。比較対象は,アルミフレームのANTARES 201Xだ。現在も2台の自転車を持っている。使い分けとしてはANTARES 201Xは平日のジテツーを生業とし,LOOK 695 SRは週末の決戦用として乗っている。ちなみにLOOK 695 SRの「SR」はSuper Rigidの略で,素の695よりバリ固のカーボンを使っていることを表す。ただ週末にしか乗らないからSunday Rideの略じゃないかという説もある。
購入動機としては,昨シーズン今やジテツー号になったANTARESで,いくつかの草レース(ヒルクライム2戦,エンデューロ3戦)に出て,遅いのは俺じゃなくアルミフレームのANTARESのセイだと邪推したところに起因する。軽さ命のヒルクライムで重いアルミフレームは常に不利だし,エンデューロレースのコーナー立ち上がり人様より加速が鈍いのは重たいアルミフレームのセイに違いないと決めつけていた。そこで次はカーボンフレームという想いを募らせ,手に入れたのがLOOK 695 SRになる。端からLOOK 695 SRにゾッコンだったかというとそうではなく,たまたま自転車屋さんで型落ちになり現品限りの特価になったお買い得満載なオーラを醸し出していたのをチャンスとばかり手に入れた。だから年式は2011年末に入手したにも関わらず2011年モデルとなっている。おまけに色も選べず白となっている。でも,この2011年モデルはペダルやステムがフレームセットに含まれるので2012年モデルよりお得感はある。ただ2012年モデルはDi2完全対応になのに対し,2011年モデルはDi2には完全対応していない。正確には2011年モデルにはお高いDi2対応フレームもあったのだが現品限りという都合上,Di2未対応フレームを選ばざるを得なかった。購入してから気付いた事だが,LOOKというメーカーは毎年カラーリング変更等の細かいアップデートはあるもののフルモデルチェンジはしないので,695という型番が一気に陳腐化する心配がない分,メーカーのフラッグシップモデルに乗っているという優越感に長く浸れるいう特典を長らく愉しむことができる。貧乏オーナーとしてはポイント高い。つまりグランツールで同じ695が走っている姿を拝みつつリア充に浸ることができるのだ!
コンポーネント
フレームからの自転車を組み上げなので全て好みのパーツで組み上げることができる。このことを業界ではバラ完とかバラ組とか薔薇族とか言うらしい(信憑性ゼロ)。それはさておき,オイラのLOOK 695 SRの最大の特徴はシマノDi2だ。もっともUltegra 6770 Di2なのでDURA-ACE Di2よりお安い。フレームはDi2未対応なのにDi2をつけたことになる。もちろんオウンリスクではある。たまたまフレームを購入した自転車屋は日本で一番695を捌いているショップで,695の酸いも甘いも嗅ぎ分ける実績と技術力(通称デビルハンド)を持っていたので無理を言ってお願いした。おかげでDi2未対応フレームなのに美しくDi2を搭載して頂いた。ブレーキはデュラエース BR-7900 ,チェーンリングはLOOK純正53-39,ハンドルはDeda Zero 100,サドルはサンマルコ ゾンコラン カーボンFX とJCRCデビューを華々しく飾るべく戦闘力重視なパーツを選択した。今思うとチェーンリングは楕円でも良かったかも知れないと思う。ただ1年前は楕円の実績が未知数っぽく,平坦地はともあれ山は不利じゃないかと身勝手に想像していたので採用を見送ったのだが,ウィギンズらがその懸念をグランツールで払拭したのでもう先入観は持っていない。
走行感
LOOKに乗り始めた頃は初めてのカーボンフレームってこともあり,やけに乗り心地が良くなったことだけは体感できた。アルミのANTARESに比べればバリ固カーボンのLOOK 695 SRでも極上の乗り心地だ。しかし速くなったかはまるでわからなかった。もがいてもスピード感を感じないからだ。例えるならば空飛ぶ絨毯に乗っている感じ。しばらくしてからそれがLOOKの特徴ではないかと思い始めた。アルミフレームは乗り心地悪いが反応が速いので踏めば加速している気分を味わうことができる。しかしLOOKはアルミ程反応は良くないが実はライダーが気付かないうちにスピードが出ていたのだった。空飛ぶ絨毯というよりは映画スター・ウォーズのスピーダーと例えた方がいいかもしれない。
なんかフワフワした感じだけ伝えてしまうとハンドリングはダメなんじゃないかと懸念されるかもしれないが,そこはHSC7というフロントフォークが安定感満載の吸い付くような接地感と,しなやかなコーナリングの両方を提供してくれる。おかげで下りは安心して深く突っ込めるようになった。ぱっと見ほぼ真っ直ぐなフォークなのだが,絶妙なトレールを確保し,直進安定性とハンドリングを両立していたのだった。やっぱ最初にカーボンフレームの自転車を作ったLOOKは歴史もノウハウも違うと思い知るのであった。
パフォーマンス
パフォーマンス比較として筑波8耐のラップタイムを晒したいと思う。出典はStravaの「筑波サーキット」。アルミのANTARES 201Xのベストラップ2:55秒(平均時速44.2キロ,平均心拍102%)に対し,カーボンのLOOK 695 SRのベストラップ2:50(平均時速45.5キロ,平均心拍99%)となった。ちなみのどちらのレースでも同じホイールWH-7900-C35-CLを使っている。レース中のベストタイムなので良い列車に乗れれば良いタイムが出せるのはお察しの通りだがLOOKだと高速列車に乗り易いというよりも列車を引く程の余裕すらあるので自ずと良い結果に繋がる。注目すべきはタイムを5秒削っただけでなく,平均心拍に3%の余裕が生まれているのもLOOKアドバンテージだと思う。LOOK 695 SRなら楽で速いということだ。
あっ,そうそうカーボンに乗れば立ち上がり加速が人様より鋭くなるんじゃないかと固く信じてアルミからカーボンに乗り換えたのだが筑波で言えば1へアや2へアにて劇的変化はなかった。どうやら人様より立ち上がり加速が鈍いのは俺の脚質ということに最近になってやっと気がついたのだった(号泣)
ZED2
LOOK 695には前述のHSC7,EPOSTなど独自仕様満載なのだが,その最たるものがZED2クランク。カーボン一体成型された軽量クランクで,ひとつでクランク長170mm/172.5mm/175mmに対応しているという変態仕様だ。高価なDURA-ACEクランクよりも軽いフルカーボンクランクがLOOK 695フレーム買うともれなくついてくるのは特典高い。もちろん踏み脚も軽い。ただ1年走ってひとつだけ問題があった。
それは水だ。どうも雨の中を走るとこのZED2クランクの中に水を含みベアリングの動きが渋くなる。状態が悪いとBBの底に水が溜まる程になる。ZED2クランクはシマノのBBのように密閉式のシールドベアリングではない,変態仕様のBB65という大きなベアリングを採用しているのもあり水が入り込む余地が高いようだ。一旦水を含みクランクが渋くなってしまうとZED2クランクのグリスアップをしなければ改善しない。今シーズンこのトラブルに3度程遭遇した。1度目は雨上がり日に水溜りでいちいち減速するのが億劫になり強行突破しまくっていたら翌日クランクが渋くなり自転車屋に駆け込み,泣きつきグリスアップして改善した。それ以降,雨の日は極力乗らないようにしていたのだが2度目,3度目は雨のレースという走らざるを得ないシチューエーションで雨を浴び対処した。
実はLOOKの方でもこのZED2が水気に弱い問題は把握しているようで,2012年モデルからは鉄ベアリングから錆びにくいステンレスに変更したそうだ。そう自分の2011年モデルは鉄なので水を含むとサビ易く渋くなるということだった。3度もベアリングのグリスアップしたので次はステンレスベアリングに交換して幸せになろうと心に決めていたが,CeramicSpeedを知ってしまった私は居ても立ってもいられなくなり至高のBB65 LOOK press fit kitを投入してしまうのだった。これで2012年モデルよりも戦闘力も防御力も増すはず(笑)。
今後の展望
もとからほとんど弄るところがないくらいのオイラのLOOK 695 SRだが変態かつ新し物好きなので目下,気になっているのは11速化だ。11速化をするためにはUltegra 6770 Di2のファームウェアの対応を待たなければならない。シマノはDURA-ACEだけではなくUltegraグレードの11速ホイールも出してきたのでUltegra Di2の11速対応ファームが出てくるのは時間の問題ではないかと思っている。もっとも新型DURA-ACE 9070 Di2に換装すれば一挙解決というのはあるがディレイラーは消耗品らしいのでコスパ考えると悪過ぎなので却下。あとはブレーキワイヤーのNOKON化くらいかな?小さな話としてはバーテープを換えるくらいかな?1年経って真っ白だったバーテープがずいぶん汚れたからね。
心機一転して来シーズンに向けて加速するぜ!
購入動機としては,昨シーズン今やジテツー号になったANTARESで,いくつかの草レース(ヒルクライム2戦,エンデューロ3戦)に出て,遅いのは俺じゃなくアルミフレームのANTARESのセイだと邪推したところに起因する。軽さ命のヒルクライムで重いアルミフレームは常に不利だし,エンデューロレースのコーナー立ち上がり人様より加速が鈍いのは重たいアルミフレームのセイに違いないと決めつけていた。そこで次はカーボンフレームという想いを募らせ,手に入れたのがLOOK 695 SRになる。端からLOOK 695 SRにゾッコンだったかというとそうではなく,たまたま自転車屋さんで型落ちになり現品限りの特価になったお買い得満載なオーラを醸し出していたのをチャンスとばかり手に入れた。だから年式は2011年末に入手したにも関わらず2011年モデルとなっている。おまけに色も選べず白となっている。でも,この2011年モデルはペダルやステムがフレームセットに含まれるので2012年モデルよりお得感はある。ただ2012年モデルはDi2完全対応になのに対し,2011年モデルはDi2には完全対応していない。正確には2011年モデルにはお高いDi2対応フレームもあったのだが現品限りという都合上,Di2未対応フレームを選ばざるを得なかった。購入してから気付いた事だが,LOOKというメーカーは毎年カラーリング変更等の細かいアップデートはあるもののフルモデルチェンジはしないので,695という型番が一気に陳腐化する心配がない分,メーカーのフラッグシップモデルに乗っているという優越感に長く浸れるいう特典を長らく愉しむことができる。貧乏オーナーとしてはポイント高い。つまりグランツールで同じ695が走っている姿を拝みつつリア充に浸ることができるのだ!
フレームからの自転車を組み上げなので全て好みのパーツで組み上げることができる。このことを業界ではバラ完とかバラ組とか薔薇族とか言うらしい(信憑性ゼロ)。それはさておき,オイラのLOOK 695 SRの最大の特徴はシマノDi2だ。もっともUltegra 6770 Di2なのでDURA-ACE Di2よりお安い。フレームはDi2未対応なのにDi2をつけたことになる。もちろんオウンリスクではある。たまたまフレームを購入した自転車屋は日本で一番695を捌いているショップで,695の酸いも甘いも嗅ぎ分ける実績と技術力(通称デビルハンド)を持っていたので無理を言ってお願いした。おかげでDi2未対応フレームなのに美しくDi2を搭載して頂いた。ブレーキはデュラエース BR-7900 ,チェーンリングはLOOK純正53-39,ハンドルはDeda Zero 100,サドルはサンマルコ ゾンコラン カーボンFX とJCRCデビューを華々しく飾るべく戦闘力重視なパーツを選択した。今思うとチェーンリングは楕円でも良かったかも知れないと思う。ただ1年前は楕円の実績が未知数っぽく,平坦地はともあれ山は不利じゃないかと身勝手に想像していたので採用を見送ったのだが,ウィギンズらがその懸念をグランツールで払拭したのでもう先入観は持っていない。
LOOKに乗り始めた頃は初めてのカーボンフレームってこともあり,やけに乗り心地が良くなったことだけは体感できた。アルミのANTARESに比べればバリ固カーボンのLOOK 695 SRでも極上の乗り心地だ。しかし速くなったかはまるでわからなかった。もがいてもスピード感を感じないからだ。例えるならば空飛ぶ絨毯に乗っている感じ。しばらくしてからそれがLOOKの特徴ではないかと思い始めた。アルミフレームは乗り心地悪いが反応が速いので踏めば加速している気分を味わうことができる。しかしLOOKはアルミ程反応は良くないが実はライダーが気付かないうちにスピードが出ていたのだった。空飛ぶ絨毯というよりは映画スター・ウォーズのスピーダーと例えた方がいいかもしれない。
なんかフワフワした感じだけ伝えてしまうとハンドリングはダメなんじゃないかと懸念されるかもしれないが,そこはHSC7というフロントフォークが安定感満載の吸い付くような接地感と,しなやかなコーナリングの両方を提供してくれる。おかげで下りは安心して深く突っ込めるようになった。ぱっと見ほぼ真っ直ぐなフォークなのだが,絶妙なトレールを確保し,直進安定性とハンドリングを両立していたのだった。やっぱ最初にカーボンフレームの自転車を作ったLOOKは歴史もノウハウも違うと思い知るのであった。
パフォーマンス比較として筑波8耐のラップタイムを晒したいと思う。出典はStravaの「筑波サーキット」。アルミのANTARES 201Xのベストラップ2:55秒(平均時速44.2キロ,平均心拍102%)に対し,カーボンのLOOK 695 SRのベストラップ2:50(平均時速45.5キロ,平均心拍99%)となった。ちなみのどちらのレースでも同じホイールWH-7900-C35-CLを使っている。レース中のベストタイムなので良い列車に乗れれば良いタイムが出せるのはお察しの通りだがLOOKだと高速列車に乗り易いというよりも列車を引く程の余裕すらあるので自ずと良い結果に繋がる。注目すべきはタイムを5秒削っただけでなく,平均心拍に3%の余裕が生まれているのもLOOKアドバンテージだと思う。LOOK 695 SRなら楽で速いということだ。
あっ,そうそうカーボンに乗れば立ち上がり加速が人様より鋭くなるんじゃないかと固く信じてアルミからカーボンに乗り換えたのだが筑波で言えば1へアや2へアにて劇的変化はなかった。どうやら人様より立ち上がり加速が鈍いのは俺の脚質ということに最近になってやっと気がついたのだった(号泣)
LOOK 695には前述のHSC7,EPOSTなど独自仕様満載なのだが,その最たるものがZED2クランク。カーボン一体成型された軽量クランクで,ひとつでクランク長170mm/172.5mm/175mmに対応しているという変態仕様だ。高価なDURA-ACEクランクよりも軽いフルカーボンクランクがLOOK 695フレーム買うともれなくついてくるのは特典高い。もちろん踏み脚も軽い。ただ1年走ってひとつだけ問題があった。
それは水だ。どうも雨の中を走るとこのZED2クランクの中に水を含みベアリングの動きが渋くなる。状態が悪いとBBの底に水が溜まる程になる。ZED2クランクはシマノのBBのように密閉式のシールドベアリングではない,変態仕様のBB65という大きなベアリングを採用しているのもあり水が入り込む余地が高いようだ。一旦水を含みクランクが渋くなってしまうとZED2クランクのグリスアップをしなければ改善しない。今シーズンこのトラブルに3度程遭遇した。1度目は雨上がり日に水溜りでいちいち減速するのが億劫になり強行突破しまくっていたら翌日クランクが渋くなり自転車屋に駆け込み,泣きつきグリスアップして改善した。それ以降,雨の日は極力乗らないようにしていたのだが2度目,3度目は雨のレースという走らざるを得ないシチューエーションで雨を浴び対処した。
実はLOOKの方でもこのZED2が水気に弱い問題は把握しているようで,2012年モデルからは鉄ベアリングから錆びにくいステンレスに変更したそうだ。そう自分の2011年モデルは鉄なので水を含むとサビ易く渋くなるということだった。3度もベアリングのグリスアップしたので次はステンレスベアリングに交換して幸せになろうと心に決めていたが,CeramicSpeedを知ってしまった私は居ても立ってもいられなくなり至高のBB65 LOOK press fit kitを投入してしまうのだった。これで2012年モデルよりも戦闘力も防御力も増すはず(笑)。
もとからほとんど弄るところがないくらいのオイラのLOOK 695 SRだが変態かつ新し物好きなので目下,気になっているのは11速化だ。11速化をするためにはUltegra 6770 Di2のファームウェアの対応を待たなければならない。シマノはDURA-ACEだけではなくUltegraグレードの11速ホイールも出してきたのでUltegra Di2の11速対応ファームが出てくるのは時間の問題ではないかと思っている。もっとも新型DURA-ACE 9070 Di2に換装すれば一挙解決というのはあるがディレイラーは消耗品らしいのでコスパ考えると悪過ぎなので却下。あとはブレーキワイヤーのNOKON化くらいかな?小さな話としてはバーテープを換えるくらいかな?1年経って真っ白だったバーテープがずいぶん汚れたからね。
心機一転して来シーズンに向けて加速するぜ!
最近のコメント