最終日の朝は切り貼り作業から入る。コピペならぬ。カトペだな。
カトペ
これで俺専用のパート譜完成。あとは練習あるのみ。今まで先生から教えて頂いたことを思い出しながら「美女と野獣」を中心に練習。
まだ紹介していなかったが,サクソフォンキャンプでの私の先生は波多江史朗氏である。昨年カルテットスピリタスのライブを聞いて以来,すっかりファンになっている。波多江先生はスピリタスでもアルトを担当しているしかねてからその音色に惚れていた。音色をワインで例えるならば日本を代表するサックス奏者の須川氏は白ワインに対し,波多江先生は赤ワインと思っている。須川氏の白は澄んでいて美しいがさっぱりし過ぎる感じ,一方波多江先生の赤は適度な渋みが口当たりも良いし味わい深いという感じ。そんな波多江先生がすぐ近くで吹いてくれる。それだけで酔うよ。マジで。そして昨日なんかは俺のサックスを手にとり「下が低い楽器だね」とこぼつつも吹いてくれた。62の特徴はThe SAX 5月号ですでに知識として仕入れ耳年増になってたのでさほど驚きはしなかったが,やっぱり俺のもかと思う反面,俺自身は自覚症状はなしという虚しさ。先生がマウスピースを深めに入れることで対応策をとってくれた。
練習をしていて気付いたこととしては今までサックスを吹くと2時間も吹けば下唇が痛くなり練習不能になっていたのだが,初日のレッスンでアンブシャの直されてから口が凄く楽なった。2日目と最終日は初日に比べると倍以上の時間吹いているのに練習不能になることはなくなった。口が楽になった分,練習も捗る。といいつつ息抜きに試奏は1本だけにしマジで練習しまくり最後のレッスンへGO!。
YAS-82ZS
「美女と野獣」を時折ミスりながらもどうにか吹ききると,先生から「すごい!ほぼ合格!」というお言葉。うれしい。「先生のおかげです!」と答えながら悦に浸る。合格はお世辞といえ「ほぼ及第点」くらいはいけたかもしれない。譜面内での休符のとりかた,曲の終盤になるとアンブシャが崩れるということなど指摘を受けたがアンサンブルではおもいっきり足を引っ張ることは避けられそうにまで持って来れた。
しかし「スワニー」の練習に移ると,練習不足が露呈する。速い運指になるとダメになる。でも先生はそんな俺を見放さず励まし教えてくれた。おかげでどうにな吹けるようになった。ありがたや,ありがたや。
レッスンの最後に「カノン」を吹くチャンスもあった。ミスはあったが初めて先生の前で最後まで吹けた。ここでも先生に褒めて頂く。一日でこんなに褒められたことが無いくらい褒められ嬉しい限り。自信がつく。そう,俺は褒められて伸びるタイプだったのだ。
本番前の波多江クラスのメンバー全員とのアンサンブルのリハーサルも直前対策が功を奏して俺的に滞り無くこなせた。そして本番,メンバーと舞台に上がる。舞台の上でメンバーをみると高校生が妙に緊張しちゃっている感じにみえた。俺は緊張しない。本番に強いのだ!というのはウソで,バイクレースのスタート前の緊張に比べたら屁でもない。レース前のあの緊張感はマジで口から心臓飛び出るからね。一度口から飛び出たけど急いで飲み込んだから今は死なずにいるワケだ!んなワケない。
本番はあっと言う間に終了。
他にもあったと思うがすでに思い出せない。ヤバッ!。とにかく基本的なことばかりだと思うが、(何十冊も教則本買って)頭では分かっていても実践できていなかった事柄を直接指導を受けることによってどこがダメだったかが明確に把握し対処できたことは大いなる収穫だったと思う。まさに百聞は一見に如かずだった。 多くの人に出会い刺激も受けたし,ここ何年いや何十年もサックスをネタに人と話したことなんてなかったのに一日中サックスのことに没頭できる日々を過ごせたというのも良い思い出だ。下手糞でもサックスやってて良かったと思った。そしてサックスがより好きになったし,吹くのも今まで以上に楽しくなった。 先生の指導により四十親父にもまだノビシロがあることもわかったし大いなる希望と自信を持つことができた。たった3日間のキャンプではあったが俺には大いなるサクソフォンブートキャンプになった。
Good Bye
年甲斐も無く希望に胸を膨らませつま恋をあとにした。
PS プロの演奏をみてバイクとの共通点をみた。というのはウマい人程,流れるように楽に吹いている。おそらく無駄な動きが全くないのだ。バイクでもMotoGPロッシやGP250宇井選手やMX1成田選手は品やかにまるでスローモーションのようにサーキットを駆け抜ける。サックス奏者もまるで同じように感じた。無駄な動きない分,余裕が生まれ,素人目に楽そうにみえるのだと邪推した。
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